【13】経理業務45%削減!難しいRPAを使わない業務自動化の第一歩

業務効率化術

経理業務45%削減!難しいRPAを使わない業務自動化の第一歩

こんにちは!不動産業界で日々奮闘されている皆さん、お疲れ様です。「経理作業に追われて本来の業務に集中できない…」「毎月の決算作業が終わらない…」そんな悩みをお持ちではありませんか?

2025年の今、多くの企業がDX化を進める中、「RPA」や「AI」といった言葉をよく耳にするようになりました。しかし、「専門知識がないと導入できない」「コストがかかりそう」と躊躇している方も多いのではないでしょうか。

朗報です!実は、特別な知識やプログラミングスキルがなくても、今お使いの表計算ソフトを活用するだけで、経理業務を大幅に効率化できるんです。

今回は、プログラミング知識ゼロの方でも今日から始められる経理業務の効率化方法と、表計算ソフトの活用テクニックをご紹介します。実際に中小企業が業務時間を45%削減した具体的な方法にも触れていきますので、ぜひ最後までお読みください。

なぜ今、経理業務の自動化が必要なのか?

不動産業界の経理業務といえば、家賃の入金管理、請求書発行、経費精算、税務申告資料の作成など、多岐にわたります。これらの業務に追われていると、本来注力すべき営業活動や顧客対応に十分な時間を割けなくなってしまいます。

手作業による「見えないコスト」

経理業務の多くは定型的な作業の繰り返しです。例えば以下のような作業は、自動化できる可能性が高いものです:

  • 毎月の請求書発行作業
  • 家賃の入金確認と消込作業
  • 経費精算のデータ入力
  • 月次・四半期・年次の財務レポート作成
  • 税務申告のための資料準備

これらの作業を手動で行うと、単純計算でも月に40〜60時間もの時間を費やしていることになります。年間にすると480〜720時間。これは正社員1人の年間労働時間の約1/3に相当します!

「でも、それが当たり前だと思っていた…」

そう思われる方も多いでしょう。しかし、この「当たり前」の作業こそ、自動化のチャンスなのです。

経理業務の自動化は、人材リソースの最適化にもつながります。以下の記事では、業務の自動化によって1人あたりの生産性を30%向上させた方法を紹介しています。経理だけでなく他の業務も効率化することで、少人数でも高い成果を上げることが可能になります。

表計算ソフトだけで実現できる自動化の基本ステップ

高価なシステムやプログラミング知識がなくても、ExcelやGoogle スプレッドシートなどの表計算ソフトを活用するだけで、多くの経理業務を自動化できます。ここでは、基本的なステップをご紹介します。

1. 現状の業務フローを分析する

まずは現在の経理業務の流れを詳細に分析し、自動化できる部分を特定しましょう。

具体的な方法

  • 1週間、どんな経理作業にどれくらいの時間を使っているか記録する
  • 最も時間がかかっている作業を3つリストアップする
  • それぞれの作業について「定型的で繰り返し行われるか」をチェックする

例えば、ある不動産管理会社では、分析の結果「家賃入金の消込作業」「オーナーへの送金処理」「経費精算」の3つが最も時間を要していることがわかりました。

2. データの一元管理を行う

散在しているデータを一箇所に集約することで、作業効率が大幅に向上します。

具体的な方法

  • クラウドベースの表計算ソフトを使用し、リアルタイムでデータを共有
  • すべての物件情報、オーナー情報、入居者情報を一元管理するマスターデータを作成
  • 表形式でデータを整理し、検索・抽出しやすい構造にする

多くの不動産会社では、物件ごとに別ファイルで管理していたり、エクセルとワードを併用していたりすることが多いですが、これを一つの表計算ソフトに集約するだけでも、大幅な効率化が図れます。

データの一元管理と併せて進めたいのが、紙書類のデジタル化です。以下の記事では、紙書類のデジタル化によって印刷費を85%削減した方法を紹介しています。

3. 関数や数式を活用する

表計算ソフトの関数や数式を活用することで、多くの計算作業を自動化できます。

特に役立つ関数

  • VLOOKUP関数(検索と参照): 物件コードや顧客IDから自動的に関連情報を取得 =VLOOKUP(A2, 物件マスター!A:E, 3, FALSE) これにより、物件コードを入力するだけで、物件名や所在地、オーナー情報などが自動入力されます。
  • IF関数(条件分岐): 条件に応じて異なる値を返す =IF(C2>100000, "大規模修繕", "小規模修繕") 金額によって自動的に修繕区分を判断するなど、判断業務を自動化できます。
  • SUMIF関数(条件付き集計): 条件に合うデータだけを合計 =SUMIF(物件区分, "賃貸マンション", 家賃収入) 物件タイプごとの収益集計などが自動化できます。

これらの関数を組み合わせるだけで、データ入力や集計作業の大半を自動化することが可能です。

4. テンプレートを活用する

定型的な書類はテンプレート化し、データを自動反映させることで作業時間を大幅に短縮できます。

具体的な方法

  • 請求書、領収書、契約書などのテンプレートを作成
  • VLOOKUP関数などを使ってマスターデータから情報を自動入力
  • 印刷やPDF化の設定もあらかじめ行っておく

例えば、請求書テンプレートに物件IDを入力するだけで、宛名、住所、金額、項目などが自動入力される仕組みを作れば、毎月の請求書発行作業が数分で完了します。

5. データの可視化を自動化する

グラフや図表を自動生成することで、データの分析や報告が容易になります。

具体的な方法

  • ピボットテーブルを活用し、データの集計と分析を自動化
  • 条件付き書式を使用し、重要なデータを視覚的に強調
  • グラフの自動更新機能を活用し、最新のデータを常に反映

月次の経営報告資料も、データを更新するだけで自動的にグラフや表が最新情報に更新される仕組みを作れば、毎月の資料作成時間を大幅に削減できます。

不動産業界で特に効果的な自動化テクニック

1. 家賃入金管理の自動化

家賃の入金確認と消込作業は、不動産管理会社にとって最も時間を要する業務の一つです。

具体的な自動化方法

  1. 銀行の入金データをCSV形式でダウンロード
  2. 表計算ソフトにインポート
  3. VLOOKUP関数を使って入居者情報と紐付け
  4. 未入金者を自動抽出

このプロセスを自動化することで、多くの不動産会社では入金管理業務が60〜70%削減できています。

家賃入金管理と併せて効率化したいのが物件情報の更新作業です。以下の記事では、物件情報の更新作業を大幅に効率化する方法を紹介しています。経理業務と物件管理業務を両方効率化することで、より大きな業務改善効果が期待できます。

2. 物件収支計算の自動化

物件ごとの収支を計算し、オーナーへの報告資料を作成する作業も自動化可能です。

具体的な自動化方法

  1. 物件マスターデータを作成
  2. 収入データと支出データを紐付け
  3. 収支計算式を設定
  4. レポートテンプレートに自動反映

株式会社丸八アセットマネージメントでは、この方法で家賃清算書の再発行依頼への対応時間を大幅に削減しました。確定申告の時期に増加するオーナーからの問い合わせにも迅速に対応できるようになったそうです。

3. 経費精算の効率化

経費の申請、承認、仕訳入力のプロセスも表計算ソフトで効率化できます。

具体的な自動化方法

  1. 経費カテゴリーと勘定科目のマスターデータを作成
  2. ドロップダウンリストを使用して、カテゴリーの選択を簡易化
  3. 自動計算機能で合計額を算出
  4. ピボットテーブルで部門別・プロジェクト別の経費分析を自動化

コスモバンク株式会社では、このようなワークフロー機能を活用して経費処理の標準化を実現し、作業時間を大幅に削減しました。

4. 税務申告資料の自動生成

確定申告や法人税申告のための資料作成も自動化できます。

具体的な自動化方法

  1. 月次データを累計する仕組みを作成
  2. 税務申告に必要な項目を自動集計
  3. 申告書フォーマットに合わせたレポートを自動生成

年間の集計作業やクロスチェックの手間が大幅に削減され、申告ミスのリスクも低減します。

経理業務の自動化・効率化の成功事例

経理業務の自動化・効率化に成功した事例は多数あります。RPAを使わずとも、表計算ソフトの活用や既存ツールの連携によって大きな効果を上げている企業の事例を紹介します。

株式会社不動産SHOPナカジツの事例

愛知に本社を構える株式会社不動産SHOPナカジツでは、幅広い業務におけるシステム化を推進し、管理業務の簡素化・時短に成功しています。同社は、キッズルームを備えた店舗展開や、不動産業界初のリフォームのモデルルームのオープンなど、業界の既存ビジネスモデルにとらわれない柔軟な発想で不動産業界の変革にチャレンジしています。

経理業務においても、システム化を積極的に推進し、表計算ソフトを活用した業務フローの最適化により、管理業務の大幅な効率化を実現しました。特に物件情報と連動した請求書処理の自動化では、月間作業時間を従来の4分の1に削減することに成功しています。

ある中小不動産管理会社の事例

50件程度の賃貸物件を管理する中小不動産会社では、以下の施策により経理業務を45%削減することに成功しました:

  1. クラウド型の表計算ソフトを導入し、データの一元管理を実現
    • 複数のスタッフが同時に編集可能になり、情報共有がリアルタイムに
    • バージョン管理の手間が不要に
  2. 請求書作成プロセスを自動化
    • 作業時間を80%削減(月40時間→8時間)
    • ミスの発生率が大幅に低下
  3. 家賃入金管理の効率化
    • 消込作業が1日→1時間に短縮
    • 未入金者への連絡が迅速化し、回収率が向上
  4. 財務レポートの自動生成
    • 月次決算作業を50%効率化(3日→1.5日)
    • より詳細な分析資料を提供できるようになり、経営判断が向上
  5. 経費精算システムの構築
    • 申請から承認までの時間を60%短縮
    • ペーパーレス化も同時に実現

これらの施策により、経理担当者の業務時間が大幅に削減され、より戦略的な財務分析や経営支援業務に注力できるようになりました。社長からは「経理担当者が単なる帳簿係から、経営パートナーへと変わった」との評価を得ています。

経理業務の効率化で生まれた時間を、顧客対応や営業活動に振り向けることで売上アップも期待できます。以下の記事では、データを活用した物件提案によって反響率を2倍に高めた方法を紹介しています。業務効率化と売上向上の両方を実現することが、真の経営改善につながります。

地方の中堅不動産デベロッパーの事例

新規分譲マンションの開発を手がける地方の中堅デベロッパーでは、プロジェクト別の原価管理に多くの時間を費やしていました。表計算ソフトを活用してプロジェクト原価管理システムを構築したところ、以下のような効果が得られました:

  • 原価入力作業の時間が週8時間から2時間に削減
  • プロジェクト収支レポートの作成時間が3日から半日に短縮
  • 予算と実績の差異分析が自動化され、問題の早期発見が可能に
  • 経営陣への報告資料作成が効率化され、意思決定のスピードが向上

表計算ソフトを活用した自動化事例

請求書処理の自動化

多くの不動産会社では、表計算ソフトのマクロ機能を活用して請求書処理を自動化しています。ある不動産管理会社では、Excel上で顧客マスタと連携した請求書テンプレートを作成し、ボタン一つで請求書PDFの生成と保存を可能にしました。これにより、月間の請求書作成時間が従来の5分の1に短縮されました。

請求書と同様に、契約書も電子化することで大きな業務効率化が実現できます。以下の記事では、電子契約の導入によって契約業務の時間を70%削減した方法を紹介しています。請求書と契約書の両方を電子化することで、一連の取引プロセスがシームレスになります。

経費精算の効率化

経費精算においても、表計算ソフトを活用した効率化が進んでいます。ある不動産仲介会社では、経費申請フォームをExcelで作成し、申請者が入力するだけで勘定科目の振り分けや税区分の判定が自動で行われるようにしました。さらに、承認ワークフローもExcelベースで構築し、メール通知との連携も実現。これにより、経費精算にかかる時間が45%削減されました。

財務レポートの自動生成

財務レポート作成においても、表計算ソフトの機能を活用した自動化が進んでいます。ある不動産投資会社では、会計システムからエクスポートしたデータを自動的に取り込み、事前に設定したテンプレートに従って財務レポートを自動生成するシステムを構築しました。これにより、月次レポート作成時間が従来の3時間から30分に短縮されました。

成功のポイント

これらの成功事例に共通するポイントは、一度にすべてを変えようとせず、段階的に自動化を進めたことです。

  1. まずは最も時間のかかっていた作業から着手
  2. 成功体験を社内で共有し、次のステップに移行
  3. 毎月の効果を測定し、改善点を洗い出す
  4. 社員全員が使いこなせるよう、定期的な小研修を実施

このようなステップバイステップのアプローチが、無理なく継続的な改善を実現するポイントとなりました。

よくある質問と回答

Q1: 特別なITスキルがなくても導入できますか?

A: はい、基本的な表計算ソフトの操作ができれば導入可能です。本記事で紹介している関数も、インターネット上の解説を参考にしながら少しずつ学べば、特別な知識がなくても活用できます。最初は簡単な関数から始めて、徐々にスキルを高めていくことをおすすめします。

Q2: どのくらいの時間をかければ効果が出始めますか?

A: 最も単純な自動化(テンプレート作成や基本的な関数の活用)なら、数時間の準備で即効果が現れます。より複雑な自動化(ピボットテーブルやマクロの活用)でも、1週間程度の準備期間で大きな効果が期待できます。重要なのは一度に完璧を目指さず、小さな成功を積み重ねていくことです。

Q3: クラウド会計ソフトとの連携はできますか?

A: はい、多くのクラウド会計ソフトはCSVファイルのインポート・エクスポート機能を備えているため、表計算ソフトとの連携が可能です。表計算ソフトで整理・集計したデータを会計ソフトに取り込むことで、二重入力の手間を省けます。

会計ソフトを含む複数のシステムを導入する際は、全体計画が重要です。以下の記事では、システム導入の失敗事例から学ぶ教訓と成功するための全体計画の立て方を解説しています。

Q4: 自動化によってミスが増えることはありませんか?

A: むしろ、手作業に比べてミスは大幅に減少します。自動化の初期設定時に数式やデータの整合性をしっかりチェックすれば、その後の処理は高い精度で自動的に行われます。ただし、定期的な確認作業は必要です。新しいパターンのデータに対応できているか、数式が正しく機能しているかを確認しましょう。

まとめ:明日から始める経理業務の自動化

経理業務の自動化は、必ずしも高度なRPAシステムを導入する必要はありません。表計算ソフトの機能を最大限に活用することで、大幅な業務効率化を実現できます。

重要なのは、一度に完璧を目指すのではなく、小さな一歩から始めることです。例えば、まずはよく使う請求書のテンプレートを作成し、VLOOKUP関数で顧客情報を自動入力できるようにするだけでも、大きな時間短縮につながります。

また、自動化によって生まれた時間を、より付加価値の高い業務に振り向けることも重要です。数字の入力や転記だけでなく、データ分析や経営判断のサポートなど、経理担当者としての価値をより高められる業務に取り組んでみましょう。

2025年の不動産業界は、単なる効率化を超えた経営革新が求められています。その第一歩として、経理業務の自動化から始めてみませんか?

経理業務の自動化は、不動産業界の将来において重要な差別化要因となります。以下の記事では、今後の不動産業界がどのように変化し、デジタル対応の有無が企業の明暗を分けることになるのかを詳しく解説しています。今から着実に準備を進めることで、将来の競争優位性を確保しましょう。


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